香りや味わいが変わる!熟成ワインの分類とその魅力【スペイン版】

樽

高品質でコスパの高いワインがたくさん生産され、ていることで知られるスペインワイン。

中でも特に、樽熟成されたワインが高品質で美味しい、という話を耳にしたことがあるかもしれません。

でも、スペインワインに興味を持ち始めたばかりの初心者さんだと、「樽熟成にとはどういうものなのかよく知らない」、という人も多いのではないでしょうか?

今回は、スペインワインの樽熟成の規定や分類、表記についてわかりやすく解説しながら、スペインの熟成ワインの味わいと魅力に迫ります。

スペインワインに欠かせない樽熟成とは

樽
ワインの発酵に使用される容器は、オーク樽、ステンレスタンク、コンクリートタンクの3種類です。

オーク樽はステンレスタンクやコンクリートタンクと比べてコストがかかるため、安価なワインに使われることはほぼありません。

高級ワインの多くは、オーク樽を使って造られます。

オーク樽は、ステンレスやコンクリートと異なり密閉空間にならず、木との接触面から空気を少しずつ通します。

適度に酸素が入ることによって、赤ワインは色素が安定し、タンニンが和らぎます。

白ワインの場合、ぶどう品種の特徴としてのクセのないシャルドネに使用されるケースが多く、味わいに複雑さを与え、骨格をしっかりさせる効果があります。

スペインワインは、品質による等級以外にも、熟成度によって

  • 「ヴィノ・ホーベン」
  • 「クリアンサ」
  • 「レセルバ」
  • 「グランレセルバ」

の4つに分類されています。うち「ヴィノ・ホーベン」以外の上位3つの等級では、合計熟成期間に占める樽熟成の期間が、いずれも最低6ヶ月以上と定められています。そのため、高品質なスペインワインには樽熟成が欠かせません。

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スペインの熟成ワインの表記

表記
スペインでは、熟成ワインに関して樽と熟成期間の厳しい規定があります。熟成に使用できる樽は、330ℓ以下のオーク樽に限られ、熟成期間は下記の通り定められています。

非発泡のスティルワインは、熟成期間の短い方から順に「クリアンサ」 「レセルバ」「グランレセルバ」の3つの表記があります。

発泡性ワインのカヴァは、熟成期間の短い方から順に「レセルバ」 「グランレセルバ」の2つの表記があります。

赤ワイン

  • クリアンサ:最低24ヶ月の熟成、うち6ヶ月以上(リオハでは最低12ヶ月以上)の樽熟成。
  • レセルバ:最低36ヶ月の熟成、うち6ヶ月以上の樽熟成。
  • グラン・レセルバ:最低60ヶ月の熟成、うち6ヶ月以上の樽熟成。

ロゼ・白ワイン

  • クリアンサ:最低18ヶ月の熟成、うち6ヶ月以上(リオハでは最低12ヶ月以上)の樽熟成。
  • レセルバ:最低24ヶ月の熟成、うち6ヶ月以上の樽熟成。
  • グラン・レセルバ:最低48ヶ月の熟成、うち6ヶ月以上の樽熟成。

カヴァ

  • レセルバ:瓶詰めから澱引きまでの瓶貯蔵・熟成期間が15ヶ月以上。
  • グラン・レセルバ:瓶詰めから澱引きまでの瓶貯蔵・熟成期間が30ヶ月以上。

上記2つの表記以外に、2016年より新たなカテゴリーとして「カヴァ・デ・パラヘ・カリフィカード」が加わりました。

最高峰のヴィンテージ・カヴァのみで、瓶詰めから澱引きまでの瓶貯蔵・熟成期間は最低36ヶ月以上。

特定のパラヘ(区画または畑)で収穫されたぶどうのみを使い、収量や搾汁率などにも厳格な規定があります。

熟成ワインの味わいと魅力

複数のワイン
オーク樽を使ってじっくり時間をかけて熟成される熟成ワインは、樽の風味がワインに移るため、ワインの香りに複雑さが増して、さらに味わい深いものとなります。

  • クリアンサは、熟成ワインでありながらフレッシュな果実味も感じられます。
  • レゼルヴァは、果実の濃縮感があり飲み応え十分。味わいの奥深さを感じます。
  • グラン・レセルバは、重厚なボディとオーク樽の複雑な風味をしっかり堪能できます。

長い熟成期間を経て出荷されるスペインワインは、買った時点からすぐに複雑で奥深い味わいを楽しめるのが魅力です。

また、熟成期間によって好みの味わいのタイプを選べるので、スペインワイン初心者にもトライしやすいのではないでしょうか。

ぜひいろいろと飲み比べてみてくださいね。