スペインワインの特徴とは?産地やオススメワインを紹介!【まとめ】

スペインの街

スペインワインといえば、どんなイメージがあるでしょうか。リーズナブルで高品質なスパークリングワイン「カヴァ」の印象が強いかもしれませんね。

でも、スペインワインはそれだけではありません。

今回は、スペインワインの特徴や歴史、初心者の人にもおすすめのスペインワインについてご紹介します。

スペインワインの特徴

スペインワイン
スペインは、17の自治州で気候や土地の個性を生かした高品質なワインが造られています。

ここでは、スペインワインの特徴や味わい、品種、産地について解説します。

特徴・味わい

スペインワインは、個性的でバリエーション豊か。ぶどう品種や醸造方法、熟成度、等級などで様々な選び方ができます。

赤ワイン

タンニンが強く果実味のしっかりしたタイプが多いのが特徴。長期熟成とオーク樽の香りが特徴の伝統的なタイプから果実味が豊かで滑らかなタンニンが調和したモダンタイプまで、様々なタイプのワインがあります。

スペイン最大の銘醸地リオハで造られるテンプラリーニョを主体としたタイプが特に有名。
白ワイン

フレッシュでフルーティなタイプが多いのが特徴。

内陸部にあるルエダ地方を中心に、1970年代後半にスキンコンタクトや低温発酵といった醸造スタイルを導入し、ソーヴィニヨン・ブランやベルデホを使った、すっきりとした爽やかな白ワインが多く造られています。

カヴァ

カヴァは、瓶内二次発酵を行う伝統的製法で造られるスパークリングワイン。

主にチャレッロ、マカベオ、パレリャーダの3つのぶどう品種が使われます。果実の旨み・香りが豊かで、シャンパンに引けを取らない高品質な味わいが低価格で楽しめると、世界中で高い人気があります。

カヴァはこちらで詳しく!

シェリー酒

パロミノ種を主原料としたワインに、アルコールを添加する独特な製法で造られる酒精強化ワイン。

辛口から極甘口まで多様な種類があり、辛口は主に食前酒として、甘口はデザートとして楽しまれます。

品種

スペインには土着品種が多く、140種類以上が認定されています。

赤ワイン用に使われる2大品種は、テンプラリーニョとガルナッチャです。白ワインには、ヴェルデホやアルバリーニョ、カヴァにはマカベオやシャレロ、シェリーにはパロミロが主に使われています。

黒ぶどう

*テンプラリーニョ
色が濃く、非常に繊細でフルーティーなアロマの中にスパイシーさも感じる香りも。フレッシュで口当たりの良いワインに仕上がります。

*ガルナッチャ
フルーティーで甘味が強く、酸度が低め。凝縮された複雑な味わいに仕上がります。

この他、グラシアーノ、マエスロなどもよく使われ、国際品種のカベルネ・ソーヴィニョンやシラー、メルロを使ったワインも造られるようになってきています。

白ぶどう

*ガルナッチャ・ブランカ
豊潤な果実のフルーティーでスパイシーなアロマが特徴で、黄色みが強いワインに仕上がります。

*シャレロ
カヴァの3大品種のひとつ。ワインに高い酸度とフレッシュさ、良いハーブ香を与えます。

*マカベオ
カヴァの3大品種のひとつ。アロマティックで、酸とアルコールのバランスの取れたワインに仕上がります。

その他、マルバシア、ベルデホなどもよく使われ、国際品種のシャルドネやソーヴィニョン・ブランを使ったワインも造られています。

産地

スペインは国土のほぼ全域でブドウ栽培が行われています。大西洋と地中海に挟まれ、スイスに次いで多い山脈があり、海岸部と内陸部とでは気候の違いも大きいです。

エブロ川流域・リオハの赤ワインと、カタルーニャ地方・ペネデスのカヴァ、アンダルシア地方のシェリー酒は特に有名。

リアス・バイシャス、リベラ・デル・ドゥエロも注目の産地です。
リオハ

四季を通じて穏やかな気候。「赤のリオハ」と呼ばれるように、赤ワインが全体の生産量の約4分の3を占めます。

赤ワインはオーク樽で長期熟成されるものが多く、熟成期間の長いレゼルヴァやグラン・レゼルヴァは香り高くエレガントで、円熟した味わいが魅力です。

リオハのワインはこちらで詳しく!

ペネデス

地中海沿岸の温暖な気候のバホ・ペネデス、カタロニア山脈沿いの冷涼な気候のアルト・ペネデス、海と山の中間の広域に広がるメディオ・ペネデスの3つのエリアに分かれます。
カヴァの主要産地として有名。「白のペネデス」と呼ばれ、上質でリーズナブルな白ワインが多く生産されています。

アンダルシア

地中海と大西洋に面した、スペインの最南端に位置しています。ヘレス・デ・ラ・フロンテラを中心とした三角地帯は、シェリー酒発祥の地として有名。

シェリー酒はこちらで詳しく!

リアス・バイシャス

雨が多く温暖湿潤な気候。栽培されている品種のほとんどがアルバリーニョ。フルーティでフローラルなアロマを持つフレッシュな白ワインは、「海のワイン」とも呼ばれ人気が高いです。

リベラ・デル・ドゥエロ

ドゥエロ河流域。大陸性気候で高品質なぶどうの生育条件に恵まれ、複雑で凝縮したスタイルの赤ワインが多く生産されています。リオハと並ぶスペインの高品質ワインの産地として、注目度上昇中。

スペインワインの歴史

スペインの街
スペインでワイン造りが始まったのは紀元前1100年頃で、フェニキア人から伝えられたとされています。

紀元前200年頃にやってきたローマ人によってワイン造りが盛んになり、スペインワインはヴェニスやジェノバの商人の手で、ローマ帝国各地に広く流通していきます。711年に勃発したイスラム教徒のイベリア半島侵攻を機に、スペインのワイン産業は一時衰退。飲酒を禁ずる戒律を持つイスラム教徒ムーア人によって、大半のぶどう園が破壊されたためです。

その後はキリスト教のミサに欠かせないワイン造りのため、修道院の修道士たちによってぶどう栽培が地道に続けられていました。

大航海時代になるとワインの生産量が急増し、シェリーをはじめとしたスペインのワインは遠洋航海中の貴重な楽しみとして、船にたくさん積み込まれるようになります。

19世紀後半には、害虫フィロキセラの影響でスペインに移住してきたフランスの醸造家が持ち込んだ技術や道具で、スペインのワイン醸造技術は飛躍的に進歩しました。

スペインの位置付けと格付け

格付け
スペインで正式に「原産地呼称制度(D.O.)」が制定されたのは、1970年代に入ってからです。2003年に新しいワイン法が施行され、ワインの格付けが新たに設定されました。

2009年にはEUワイン法の改定に伴い、新たな原産地呼称が定められました。最高級から順に、下記のように格付けされています。

  1. ビノ・デ・パゴ(V.P.)
  2. 単一ブドウ畑限定の高級ワイン。

  3. デノミナシオン・デ・オリヘン・カリフィカーダ(D.O.C.a.)
  4. 特選原産地呼称ワイン。

  5. デノミナシオン・デ・オリヘン(D.O.)
  6. スペインの高級ワインの中核的カテゴリー。

  7. ビノ・デ・カリダ・コン・インディカシオン・ヘオグラフィカ(V.C.)
  8. 地域名称付き高級ワイン。

  9. ビノ・デ・ラ・ティエラ(VdlT)
  10. 地方ワインやカントリーワイン。

  11. ビノ・デ・メサ
  12. 大量生産されるテーブルワイン。

原産地呼称保護(D.O.P.)に相当するのは①~④。地理的表示保護(I.G.P.)に相当するのは⑤です。

はじめての人にオススメのスペインワイン

ワイン初心者におすすめのスペインワインを3つご紹介します。どれも1,000円台で買えて美味しいので、気軽に試すのにピッタリですよ。

①マジア・J・テンプラニーリョ

 

引用:https://wsommelier.com/item/7358.html
ワイン名 マジア・ジェイ・テンプラニーリョ
生産者 アルケミー・ワインズ
ぶどう品種 テンプラニーリョ100%
味わいのタイプ ミディアムボディ 辛口

 果実味がしっかりと感じられ、渋みは穏やかで飲みやすいです。

②チスパス・ブランコ

 

引用:https://wsommelier.com/item/2101140001631.html
ワイン名 チスパス・ブランコ
生産者 ロング・ワインズ
ぶどう品種 シャルドネ65%、マカベオ35%%
味わいのタイプ 辛口

 フレッシュな香りとクリスピーな酸が心地よく、程よいコクと長い余韻が印象的。

③チスパス・ブリュット

 

引用:https://wsommelier.com/item/2101140001624.html
ワイン名 チスパス・ブリュット
生産者 ロング・ワインズ
ぶどう品種 マカベオ33%、パレリャーダ33%、チャレッロ33%
味わいのタイプ 辛口

 透明感のある引き締まった味わい。フレッシュでジューシーな果実味、僅かな苦みとハーブの清涼感、ミネラル感を余韻に感じます。